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個性豊かな国「シンガポール」の小売事情をまとめてみた【シンガポール出張#1】

NRFAPAC2024に出展した際に、空き時間でシンガポールの小売店を見てきたので、日本との違いやシンガポールならではの特徴をお伝えしたいと思います!

小売店の話に入る前に、購買行動の前提にあるシンガポールの文化について、私が予習し、実際に現地で見てきた内容をまとめます!

日本では考えられない!多種多様な文化が混在

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、シンガポールは多民族国家であり様々な民族や文化が混ざり合う国です。民族の割合でいうと、中華系(74.3%)、マレー系(13.5%)、インド系(9.0%)、その他(3.2%)と中華系の民族を主としてアジアの様々な地域の民族が共に暮らしています。
実際に、街中にはチャイナタウンがあったり、インド人街があったりと国際色豊かな風景を目の当たりにしました。この多様性の影響もあり食材や料理のバリエーションも豊富な印象です。

まさに多種多様

シンガポール料理はまるでアジア各国のオールスター

シンガポールには、中華料理、マレー料理、インド料理、そしてこれらが融合したプラカナン料理など多岐に渡る料理が存在しています。こんなに様々な種類の料理を味わえる国は他にないんじゃないかと思う程です。シンガポール名物の"海南鶏飯"はタイのカオマンガイに近かったり、中華風やきそば"ホッケンミー"があったり、インド人街に行けばビリヤニを食べられたりと食からもシンガポールの多様な文化を感じました。

美味でした

外食文化を象徴する「ホーカーセンター」

そして、今ご紹介したこれらの料理が集まっている超便利な場所が"ホーカーセンター"。
シンガポールでは、日本でいうフードコートが屋外に点在しています。値段は普通のお店に入るよりも安く、観光客はもちろん、地元の人々も大勢利用しています。というのも、シンガポールは非常に外食比率の高い国なんです。その背景として共働き比率の高さが挙げられています。共働きの家庭が多い結果、なんと食費に占める外食比率は約6割と半分以上になっています。

めちゃくちゃ店があって、何食べるか迷います

砂糖は控えめに!!ニュートリグレードラベル

そんな食生活で健康面は大丈夫なの?と思いましたが、国主導で健康にも取り組んでいるようです。シンガポールでは肥満や糖尿病の多さが深刻な健康問題として扱われており、食品に含まれるトランス脂肪酸への規制や、"ニュートリグレードラベル"というものを飲料に導入するなど健康への取り組みが行われています。ラベルは糖分などの含有量に応じてA~Dまでランク分けされており、最も含有量が多い=健康によろしくないとされるDに分類されると、メーカーは広告を出すことが出来ないという厳しい制度です。実際には、消費者に規制がかからないので、Dでも関係なく飲むよ!という人には意味ないかもしれませんが…笑

他にも、保健省が高齢者の健康増進を目的に、「ヘルシー365」というポイントアプリを運用しています。このアプリはもともと、高齢者がウォーキングするとポイントを付与するというものでしたが、現在では健康促進庁が認証する「ヘルシアチョイス」マークがある商品を購入し、アプリでレシートのQRコードをスキャンするとポイントが与えられるという取り組みも行っているそうです。

なんと野菜ジュースもC!

世界初、統一QRコードによる決済

最後に、フィンテック大国シンガポールを象徴するのがQRコード決済の統一規格です。これはシンガポール国内の27種類の電子決済のQRコードを「SGQR」という1つのQRにまとめるというものです。つまり、消費者はそれぞれの決済手段毎にQRの表示を切り替えることなく、毎回同じQRコードの提示だけで決済を完了させることができます。日本で生活していても、お店によって対応している決済が違うとQRコードの使い分けが必要ですが、それが無くなると思うととても便利ですね。

まとめ

今回は、食事を始めとしてシンガポールの様々な文化や取り組みについてまとめてみました。改めて国際色豊かな文化だと感じるとともに、多くの文化や技術が流入するからこそ先進的な取り組みもされているのではないかなと思います。次回はこの文化的な背景を踏まえてシンガポールで躍進する日本の小売業についてまとめます!

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