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旬という言葉は英語には存在しない?|データアナリストが語る【小売り業界コラム】

英語には「旬(しゅん)」という言葉が存在しないこと
ご存知でしょうか?
日本において、「旬」とは季節ごとの食材や花
イベントなどが最も美味しく
楽しめる時期を指す言葉ですが
英語圏ではこのような概念はないのです。

海外で使用されている旬に近い単語の
「season」の由来から旬について少し考えてみました。


四季の語源「Le semeur」はミレーの絵画タイトルにも

パリを離れてバルビゾン村に移り住んだ
ミレージャン=フランソワ・ミレー)が
はじめて手がけた大作である「種をまく人」

種まく人(Le semeur)は
ラテン語を語源とする言葉で、
Le semeurは四季を表すSeasonの語源でもあります。
英語に日本語の旬に当たる単語はなく
このSeasonが旬の意味にも使われるとされています。

フランス画家ミレーってどんな人?

ジャン=フランソワ・ミレー(ミレー)は
19世紀のフランスの画家で、
農民の人々の日常を描いた
「農民画」で知られています。
ミレーは8人兄弟の長男だったので
生活を支えるために、あらゆる農業に触れていました。
幼少のころの農業体験がミレーの作品の
ルーツになっていることが考えられます。

名画「種をまく人」について

それまでの絵画において、
農民は牧歌的な風景の中に
理想化された姿で描かれることが多かったのですが、
ミレーはあえて、深く帽子をかぶり
斜面の畑を大股で下りながら
右手の種を大地にまく、力強い農夫を描きました。

働く人が象徴的に描かれたこの作品は
ミレーの中でも重要な作品といえます。

そんなミレーはゴッホをはじめとした
後世の画家たちにも影響を与えており
現在「岩波書店」のマークにもなっています。

ミレーに憧れ、模写したゴッホの話

ゴッホの作品には、
ミレーの「種まく人」を模写したものが
複数枚残されています。

ミレーの作品とは異なる明るい色調は
正に自分の将来に向かって種をまく
前途有望な画家の未来を象徴するかのように
模写の域を超えて、ゴッホの作品として昇華されていると
高い評価を得ています。

ゴッホと呼ばれているのは日本だけ?

実はゴッホのフルネームは
フィンセント・ファン・ゴッホ」という名前で、
海外では「ファン・ゴッホ」(英語ではヴァンゴーと聞こえる)か
「フィンセント」のどちらかで呼ばれるため
日本でのみゴッホという呼び方がされています。

海外で呼ばれているヴァンゴーという名前を聞いて
ゴッホという画家を思い浮かぶ人は
あまりいないのではないでしょうか?

ゴッホは日本にも憧れていた

ゴッホという名前が定着していることについて、
日本を「南の国」と表現して憧れていたことでも有名なので
もしゴッホが生きていたとしても
「誰がゴッホじゃ!!!」
なんて言われることは、無いのではないでしょうか。

画家から見る「四季」と「旬」

海外では四季が無い地域も多い中で、
日本は四季に恵まれていることもあり
英語にはない四季を味わう「旬」という言葉が
生まれたのではと言われています。

そう考えると旬という考え方自体が
薄れてきている現代において
旬であることを野菜や果物など商品を通じて
スーパーの売り場で打ち出すことは、
実はとても重要なことだと思われます。

旬を感じる場所が減っている中で、
最も身近に旬を感じる場所が、
スーパーの売り場であってもいいのではないでしょうか。

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