「自分の中にある固定観念を認識して打破する!」社内体験ワークショップ研修を行いました!
今回は社員のマインドから「固定観念・バイアスを認識して打破する」ことを狙って行った、体験ワークショップについて企画立案者の事業推進部長から紹介させていただきます!
「固定観念・バイアス」について知っていますか?
こんにちは。事業推進部長の「ゴヤ」です。
ここ数年、「行動経済学」という言葉を見聞きする機会が増えたと思いませんか?
ざっくり言うと「人は主観によって時に合理的ではない判断をしてしまう」ことを研究している分野です。
研究によれば、人間の脳が情報を処理するときには2つのモードがあります。1つは直感や過去の経験に基づき判断する「システム1」です。
これは「ヒューリスティック」とも呼ばれています。もう1つは注意深く考えたり分析したりして判断する「システム2」です。
そして、人間の意思決定の際のデフォルトはシステム1です。例えば、私たちが部屋から外に出たいとき、直感的にドアを探し、ノブがあれば回して、押すなり引くなりしてドアを開けます。
このとき、いちいちあまり注意深く考えたり分析したりしないですよね。
普段の生活において、私たちはこのような意思決定を数多くこなしており、考えなければいけないことが多すぎると処理が追い付きません。
だからシステム1がデフォルトなのです。
しかし、直感や過去の経験に基づくシステム1による判断は、時に思い込みや偏見となり、間違った意思決定を引き起こしてしまうことがあります。
この思い込みや偏見が、「固定観念・バイアス」です。
専門家ほど固定観念・バイアスが強い
ある実験結果をご紹介します。
24人の放射線科医に複数のCTスキャン画像を見せ、がん細胞を発見してもらうのですが、その中に1枚だけ、がん細胞の45倍もの大きさのゴリラが写った画像が紛れ込んでいます。
彼らにとってがん細胞を見分けるのは慣れたことで、次々とがん細胞を見つけていきます。
ところが、紛れ込んだゴリラに気が付いた医師は2割しかいませんでした。
専門家だからこそ、大量の情報を効率的に処理しようとして、「まさかそこにいるはずがない」ゴリラを見落としてしまうのですね。
事業においても、ただ効率的に進めようとするならばバイアスを使ってもいいでしょう。
しかし、新しい気づきを得て変革を起こそうとするならば、
「ゴリラが見える状態」でなくてはなりません。
そしてそれは専門家であるほど難しい、ということをこの実験結果は示唆しています。
ワークショップのテーマ設定と流れ
テーマは、「積み木を使って凄い作品を作る」。
最終プレゼンはパワポ。
「凄い」の定義や評価基準は各チームにお任せです。
流れはこうです。
まずは個々人で作品を作り、自分の作品の何が「凄い」のか、その「切り口」と「アイデア」とをセットでチームのメンバーにシェアします。
その後、各作品におけるバイアスは何かを各自考え、シェアし、チームで合意できるバイアスを選びます。
最後に、そのバイアスを打破する切り口とアイデアを考え、議論し、最終作品を完成させます。
このワークショップに使用したのはあたらしい「組む」つみき「KUUM」です。
今までの積み木にはない創造力をかきたてる形状と、感性に響く美しい配色が特徴の積み木になっています。
子供から大人まで、好奇心をかきたてられるようユニークに設計されているので、バイアスを打破するという目的においては可能性を無限に広げてくれます。
積み木に対するバイアスの認識と、最終作品
「積み木に対するバイアスなんて考えたこともない…」と戸惑いを見せていたメンバーも、どの作品も「積んでいる」「止まっている」「机の上に置く」などの「当たり前」、つまりバイアスに捕らわれていることに気づいていきます。
そして思考と議論を経て、バイアスを打破する作品を完成させていきました。
ぜひ全部のチームの作品を紹介したいところではあるのですが、長くなってしまうので、今回はあるチームの作品をご紹介したいと思います。
このチームは、「積まない」「動きがある」「机の上に限らない」という切り口で、積み木を目いっぱい手ですくって、上から一斉に落とし、その瞬間を撮影するというアイデアで表現しました。
発表に際し、他のチームのメンバーから「おお、すごい」という声が漏れたほど、インパクトのある作品が出来上がりました。
「知性のワナ」と「Reflexivity」
「自分には専門知識がある」という自覚があればあるほど主張が独断的になり、自らの考えに合わない意見に閉鎖的になり、周囲も「でも、そういうだけの実績もあるのだから」と信用しやすくなるそうです。
アメリカの社会心理学者ケネス・J・ガーゲンの言葉です。
自分の非合理な認知のクセ・バイアスで、変革の機会を逃さないために、過去の経験に引きずられて判断していないか?と、自問自答することがどんな職種、年齢においても大切です。
【Change or Die】「変革マインドの自分事化」し、データコムとしても現状に満足せず変化し続けていけたらと思います。
「ゴヤ」でした。
参考文献
相良奈美香(2023).『行動経済学が最強の学問である』.SBクリエイティブ
濱口秀司(2019).『SHIFT:イノベーションの作法』ダイヤモンド社
新井宏征(2021).『実践シナリオ・プランニング~不確実性を「機会」に変える未来創造の技術~』.日本能率協会マネジメントセンター
芹澤連(2023).『戦略ごっこ マーケティング以前の問題』.日経BP
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