バーチャル試着やAIによる商品提案を体験!先進技術に触れた3日間【NRF APAC 2024】
2024年6月11日から13日の3日間にわたり開催されたNRF APAC 2024に参加してきました!
初の海外出張ということで、英語でのコミュニケーションに苦戦しながらも、さまざまな海外企業のブースを訪問することができました。
今回は、展示会で特に印象に残った企業ブースや注目のツールについてご紹介したいと思います!
NRF APAC 2024とは?
NRF APAC 2024は、普段はアメリカで開催されるNRF(全米小売業協会)のアジア初開催となる展示会です。今回はシンガポールで開催され、出展企業数は計238社に上りました。データコムもこの出展企業の一員として参加させていただきました!
出展企業を国別に見ると、自国開催のシンガポールの企業が最も多く、次いで日本、中国、タイ、インドネシアといったアジア諸国の企業が多数出展していました。
また出展企業を業態別に見てみると、POSシステムを提供する企業が最も多く、次いでAI・IoT、オムニチャネル・O2Oといった企業が多いという結果でした。実際にブースを回って見ても、ハードウェア製品が多く展示されていましたし、どのブースでも「AI」というキーワードが使われていました。
ブースとツールの紹介
NRF APAC 2024の会場には一般ブースのほかに、イノベーションラボやシンガポール企業のみのエリア、スタートアップ企業が集まるエリアなどが設けられていました。
イノベーションラボ
このエリアは、新興ベンチャー企業の中でも特に革新的な技術を持つ企業が集められており、最新のテクノロジーを体験できる場として非常に賑わっていました。このエリアで印象に残ったツールをいくつかご紹介します!
1.バーチャル試着
こちらは、AR技術を活用してデジタルサイネージ上で衣類やアクセサリーなどの試着ができるツールです(※筆者はスーパーヒーローのアクアマンコスチュームを着ています)。
実際に試着したい商品を選択することで、サイネージ上に体にフィットした商品画像が表示され、まるで本当に試着しているかのような感覚になります。
これによって、商品在庫が無かったとしても、サイズ感などを確認することが可能になります。何より楽しみながら試着することが出来ました!
2.AI商品提案
こちらはAI検索が可能なプラットフォームを提供している会社のツールです。ユーザーが商品の画像やキーワードをチャットで送ることによって、それに適した商品を提案してくれる機能です。提案された商品に対してさらに条件を加えることで、新たな商品を提案してくれるため、顧客が本当に求めている商品をECサイトから簡単に見つけることができます。
このようなチャットを活用して柔軟に商品検索ができる機能は、今後ECサイトで広く普及していくかもしれません。
3.接客データ取得マイク
こちらは従業員一人一人に音声マイクを装着させ、接客時の会話内容をデータで記録できるツールです。従業員の接客指導や人事評価をする際に、データ化された会話内容を見ることで、効率的に育成や評価をすることができます。
記録されたデータを元に、AIが個別の接客指導をしてくれるような機能があると面白いんじゃないかなと思いました!
シンガポールエリアとスタートアップエリア
シンガポールエリアやスタートアップエリアでは、中小規模の企業が多数出展しており、斬新なツールが紹介されていました。
1.ライブ配信商品紹介
こちらは、ライブ配信でリアルタイムに商品を紹介し、その場で商品を注文できるプラットフォームです。Youtubeのライブ配信のように、視聴者がリアルタイムでチャットし、配信者とやり取りしながら商品の魅力を紹介できます。
従来の通販番組のようなものをライブ配信サイトで行うことで、若者をターゲットとした商品販促に非常に効果的だと感じました!
2.カメラ連動型サイネージ
こちらは、カメラと連動したデジタルサイネージです。店内に設置されたカメラが顧客の映像を読み取り、顧客の視線に合わせて棚の上部のサイネージから商品の広告が流れます。見ている商品の広告が実際に流れるので、つい買ってしまうような新たな顧客体験を提供するツールです!
3.欠品状況把握
こちらは、カメラの画像認識によって棚の欠品状況を把握できるツールです。どの棚が欠品しているかや商品が前出しされているかなどをカメラで読み取り、リアルタイムで確認できます。
これは、毎日品出しに追われている店舗スタッフにとって革新的なツールではないでしょうか。
各社ブースを回った感想
展示会で各ブースを回ってみて、「AI」「画像認識カメラ」「デジタルサイネージ」の3つが最新の海外トレンドなのかなと感じました。各ブースではAIを活用したソリューションが多数展開され、特にAIカメラが防犯対策や顧客データの収集、店内の顧客動線の把握など、多用途で活用されていました。
さらに、デジタルサイネージも多く展示されており、従来の大きなサイネージに加え、商品POPサイズのものや、電子値札を置き換えた製品なども目立ちました。
これらの技術はさらに開発が進み、今後スーパーマーケットなどに広く普及していくのではないでしょうか。展示会全体を通して、未来の店舗運営がどのように進化していくのか、その一端を垣間見ることができました。
加えて、今回の海外出張では、英語でのコミュニケーションに非常に苦戦しました。シンガポールでは、中国やインドネシアなどのアジア系の企業でも会話には英語が用いられ、どのブースでも英語が飛び交っていました。
リスニングもスピーキングも不十分な私は、Google翻訳を片手に何とかコミュニケーションを取ろうとしましたが、製品の詳細や会社の情報を深掘りして質問することがあまりできませんでした。もしまた機会があれば、英語力を身につけてぜひリベンジしたいと思います。
最後に
今回はNRF APAC 2024での企業ブースや製品を紹介しました。規模は普段のNRF展示会よりも小さいものの、各ブースの最先端技術やツールは非常に見応えがありました。
AIやデジタルサイネージを活用したソリューションはますます進化しており、今後数年で日本にも広く普及し、スーパーマーケットの店舗DXがますます加速するのではないでしょうか。