指揮者カラヤンの言葉から学ぶ小売業の顧客の導き方
操ろうとすれば、逆に人はその通りには動かない?
昔は人々の心に響く職業の夢として、野球の監督やオーケストラの指揮者がありました。今では、その夢はサッカーやバレーボールなどの様々なスポーツにも広がっています。
それらはすべて、組織や集団を思い通りに操り、自ら描いた勝利や成功という結果に得ることへのあこがれに満ちているからなのです。
豊穣な響きと透明性、音の美しさを表現した指揮者「カラヤン」
20世紀に名を馳せた小澤征爾の師でもある指揮者「カラヤン」を知っていますか?
カラヤンは、過去にこう語っています。
――「指揮者の役割はオーケストラを操ることではなく、メンバーのやりたい方向をくみ取り、そこへ導くことだ」
そして最近亡くなった彼の弟子でもあった小澤征爾も、この教えを重んじ、オーケストラのメンバーとの対話を重視していたと言われています。
小澤さんの名演はこちらから↑
“導く”とはどういうこと?
“導く”とは自己中心的なアプローチではなく、メンバーとの共感を大切にすることが、カラヤンの言う“導く”ことなのではないでしょうか。同じ光景は小売業界でもよく見られることのような気がしております。
時に顧客の動向を見ずに、売り手の都合で物事を進めてしまうことがあります。自己満足のアイデアで行動することは、実は客の不満や潜在的ニーズから見れば、逆効果なのかもしれません。
マーケティングの基礎を大切にしながらも、新商品を開発するメーカーですら、成功する商品は決して多くはないです。まして日ごろ無数の顧客と接する小売業なら、顧客を導くなどということは簡単ではないのでしょうか
顧客データの指標である、①1人当たりの購入点数、②同購入金額、③同購入回数(頻度)を気にかけないようではなおさらです。
人口が減少し続ける中で、大切に導く気持ちがなければ、企業としても人としても前には進めないのではないでしょうか。