IT業界注目の「インド工科大学ハイデラバード校」の教育環境を大公開!学生は驚異的な記憶力を持った、超ポジティブ思考系!?
IT業界を中心にインド人材への注目が高まっています。しかし、インドという国、そしてインド人に対する情報が少なく、付き合っていくことに一抹の不安を拭えない人も多いのではないでしょうか。
とうの私もその1人でしたが、渡印し、インド工科大学(IIT)ハイデラバード校を視察したり、学生と話したりすることで、はっきりとしない不安は解消されました。
本記事では、私が見聞きした情報をシェアしていきます。インド人材とのコラボレーションを考えている方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。
前回の記事はこちらから↓
インド工科大学(IIT)ハイデラバード校とは
今回は、インターンシップおよび正規採用を念頭に、IITハイデラバード校を訪問しました。
ハイデラバード校は、日本の外務省と国際協力機構(JICA)から技術・財務支援を受けて2008年に設立された学校です。
IITで最も古い学校が1951年、最も新しい学校が2016年に作られていることを考えると、歴史的には中間的な立ち位置です。
また、IIT23校にはランクが付けられているのですがハイデラバード校は8位。全体の上位1/3に入っており、IITのなかでも難関校に分類されます。
キャンパスの様子
市街地から車で約1時間移動すると、突如郊外に同大学が登場。
近代的な施設群は、周囲の雰囲気に対して異質な存在です。
キャンパスに入ると広大な土地が広がっており、ワクワク感が高まります。
広さは東京ドーム約50個分、敷地内を巡回するバスが走るほどです。
講義棟以上に目立つのが、学生向けの寮(通称Student Hostel)です。
インド全土から試験を勝ち抜いた優秀な学生が来ているので基本的には寮生活となっています。
また、教職員向けにもマンションや子どもの学校などが併設されています。
アクセスがあまり良くない場所にあるため、学生も教職員もキャンパス内で日々を過ごしています。
辺鄙な場所に立地するからこそ、4年間学業に全力投球できるのでしょう。
加えて、キャンパスで印象に残っているのが、建設中の施設が多数あることです。
設立から15年以上経っても新たな施設がどんどんと作られており、これまで以上に充実した環境が整っていきそうです。
学生との会話について
今回、同大学に在籍する学生とお会いする機会を得ました。ここでは印象深かった内容を少しシェアします。
【記憶力が半端じゃない】
最初に度肝を抜かれたのが学生の記憶力です。
面談に際し、当社に関する情報を事前調査して頂いていたようなのですが、会話中に次から次へと「ホームページに載っていた〇〇社の事例について…」、「御社の分析システムが持つ◆◆という機能ですが…」というように情報が出てきます。
かなり細かい内容や数値までを覚えており、“どこかにカンペがある?”と思うほどです。さすがインド人!と感じた最初の出来事でした。
補足ですが、これはインド人全般に共通する特徴のようです。
レストランの店員は一切メモを取らずオーダーを記憶しますし、ホテルのスタッフは一度会話するとしっかり記憶してくれており話しかけてくれます。
【できます!と主張する】
お会いした学生全員に共通することですが、何か問いかけをすると基本的に「できます!」と返ってきます。
しかも間髪をいれずに、です。
これはインド人の根底にある“ジュガード”という考え方に基づくものとのこと。
ジュガードは「限られた資源でも創意工夫を凝らして即席で解決策を見つけていく」という精神のあり方を表しています。
裕福ではない環境で育ってきた人も多いため、どんな状況であれ“まずはやってみよう”という発想が根付いているのでしょう。
今回お会いした学生が発した「できます!」も、恐らく“まずはやってみる”というニュアンスだったのでしょう。
結果がどうであれ、ポジティブな返答をしてくれることは頼もしい限りです。
一方、言葉を額面通り受け取ってしまうのはリスクがあるかもしれません。
日本人同士のコミュニケーションとは異なることを肝に銘じる必要がありそうです。
【予想に反して、丁重な対応】
偏見に近いものですが、インド人の方々はガツガツしたスタンスで、非常に話し好きというイメージを持っていました。
しかし、実際に話してみるとそんなことは一切ありませんでした。
むしろ、こちらの話にしっかり傾聴してくれます。
さらに、懇切丁寧にキャンパスの紹介をしてくれたり、暑さを気にかけてくれたりと好印象の連続。
今回インド人と話した限りで至った結論は、
という感じです。ごく一部の人と話しただけなので一概には言えないですが、当初持っていたイメージからは180度変化しました。
おわりに
ここまで、現地で見聞きしてきたことをベースにインドの実態を考察してきました。
結論を申し上げると、基本的には非常にポジティブな印象を持ちました。
そして、より一層インド人の方々と一緒に働いてみたいと強く思いました。
インド人と働くことに一抹の不安をお持ちの方は、是非一度直接コミュニケーションを取ってみると良いでしょう。
今後の事業拡大を考える上で、“第三の大国”となりうるインドを蔑ろにすることはもはや不可能。
我々もまずは一緒に働いてみながら、付き合い方を模索していこうと思います。