見出し画像

創造と挑戦で次のビジネスチャンスを掴む ー自分がやりたいことで新事業を創るー

こんにちは。事業推進部に所属している安齋です。
20年弱、ID-POS分析に携わりスーパーマーケットを中心にシステム導入を支援してきました 。昨年より事業推進部に移り、事業開発の作業を日々行っています。

提供したシステムを使っていただき、「普段の生活や仕事が楽になった、良くなった」という声が聞ける日を目指し奮闘中です!
新規事業の創出を通じて、今まで関わることのなかったユーザーを増やすことで、新たな可能性を見つけたいと思います。


事業推進部のミッション

さて、私が所属している事業推進部はサービス、事業開発の「仕組み」づくりと、その仕組みに準じたサービス、事業開発の推進を部のミッションとしていて、変革への挑戦、価値の発見と提供、挑戦を育む環境づくりに日々邁進しています。

ミッションである事業開発の推進にあたり、"アンゾフの成長マトリクス"を活用して、新たな領域を探っています。

「②新製品開発」、「③新市場開拓」、「④多角化(飛び地)」の3つの領域を目指し、メンバーそれぞれが日々チャレンジをしています。

自分のミッション

私は特に「④新市場×新技術」を中心に担当しています。
正直、他のメンバーが既に②、③領域に取り組んでいて、チャレンジしているメンバーがいなかったというのもあります。
しかし、自分としても今まで経験してきた分野にプラスして新たにチャレンジするチャンスだと思い、全く新しい「新市場×新技術」領域を担当させてもらいました。

データコムの既存事業である、SM(スーパーマーケット)をメインとしたシステムの提供から離れて、SM以外の小売業や飲食業向けにシステム提供の道を探ること、そして最終的にはサービスをローンチすることが私のミッションです。

右も左も分からない新規事業開発

全く初めての試みだったので、いきなり新規事業のアイデアを考えるのは相当苦労しました。
なんとなく「こんなシステムが欲しいな」というシステムを思いついても、だいたいは既に存在しています。

さらに、「誰に」「何を」提供するかが明確でないと、自己満足の企画になってしまうという難しさもありました。

そんな中、ゴヤさんとセッションを重ねながら、親友(ChatGPT)と共に奮闘し、進めてきた企画がようやく形になってきました。

今回は、そんな新規事業創出への思いを作業過程と共にお伝えしたいと思います。

取り組みの流れ

大まかにはこのような流れで、アイデアを形にしていきました。

①アイデア出し

先ほども書いたように、いきなり新サービスのアイデアを出してと言われても、なかなか思いつかないものです。
私もうーん…と唸って考えては戻ってを繰り返していましたが、そんな状況を打破するためにまず行ったのが「社会課題の検討」です。

やることはいたってシンプル。
"10年後"に社会が直面する課題を検討することです。
なぜ、今ではなく10年後なのかというと、

現状の社会課題を解決することも重要ですが、他社も同じことを考えているので、事業としては競争が激化しやすいです。
なので、計画を持続的に運用・実行し、長期的な事業構築を実現するために10年後の社会課題から検討します。

ChatGPTを活用して、実際にやってみました。

エネルギー問題、食料不足、地域コミュニティの崩壊…
メディアでよく見聞きする課題が、10年後にはもっと深刻になるという予想が出ました。

この結果をもとに、新事業として取り組むテーマを考えました。
選定基準は「自分が興味を持てる」「気になる」「既存事業と親和性が低い」ことです。

私は新事業のテーマとしてこの4つを取り上げることにしました。
・教育格差
・医療資源の不足
・社会的孤独の増加
・貧困の連鎖

4つのテーマに共通するのは、"生活格差"です。
最近のニュースでも、所得格差や貧困の話はよく耳にします。
より住みやすい社会を作ることで、自分たちビジネスも回り、社会も良くなるというWin-Winな関係を生み出せたら最高だなと思い、これらのテーマに取り組むことにしました。

②アイデアを広げる

STEEP分析による課題の深掘り

取り組むテーマが決まったので、次は情報を集めて各テーマの深掘りです。
今回はSTEEP分析を活用して、各テーマの外部環境の変化を考えました。
今後起こりうる変化を網羅的に考え、未来にあるチャンスやリスクを把握することで、アイデアを具体化していきます。

▼STEEP分析についてはこちら▼

STEEP分析の5つの項目に対して、ChatGPTと壁打ちしながらそれぞれ10個ずつ考えられるキーワードを出してみました。

医療の例

1つのテーマに対して計50個のワードが出てきます。
私の知見が足りなかったこともあり、分からない用語を調べながら、進めていきました。

この作業がイライラするくらい大変で、関係なさそうな単語を減らそうかとも思ったのですが、より多角的な視点でサービスを開発するためにも各テーマに向き合って取り組みました。

③重要なトピックの抽出

不確実性マトリクスを活用した優先順位付け

各テーマを様々な角度から検討して、アイデアを広げた後は、その中から本当に取り組むべきトピックを見つけ出さなければなりません。

そこで登場するのが"不確実性のマトリクス"です。

STEEP分析の結果を、重要性と確実性を軸にした4象限に振り分けることで、将来の影響がどの程度大きいか、予測しやすいかを可視化します。

<不確実性と重要性の定義>
■不確実性
低:10年後、キーワードの内容が絶対に起こる
高:10年後、キーワードの内容で複数の事象が考えられる
■重要性
「生死に関わる度合い」×「キーワードに関わる人の多さ」

この指標をもとに振り分けることで、どの要素に注目して、どんな未来に備えるべきかということが考えやすくなります。

実際にやってみると、結構自分のバイアスがかかっていそうだったので、作成後にゴヤさんとセッションをしながら再度振り分ける作業を行いました。

そして、各テーマを多角的に検討した上で、「不確実性が高く、影響が大きい」≒「重要度が高い」第4象限から事業化するトピックを抽出します。

第4象限のトピックは複数ありましたが、選択の軸は常に「自分が興味を持って取り組めるか」です。

結局、自分が興味を持って取り組めないと続かないというゴヤさんのアドバイスもあり、ここだけはブレずに自分の中で持ち続けました。

④トピックの未来を予想

続いて、選んだトピックの"シナリオ"を作成します。
トピックに対して軸を新たに設定したマトリクスを作成します。

軸には未来を大きく左右し、ビジネス戦略に関係するものを設定します。
お互いに独立しており、未来の可能性を広げ、ビジネスにとって重要なものであることが軸選びのポイントです。

マトリクスの枠を作成したら、「どのような未来になるか」「社会やビジネスにどんな影響があるか」「どの産業、企業が成長するか」「新規事業にとってチャンスやリスクがあるか」といった内容を中心に各象限のシナリオを作成します。

つまり、それぞれの象限で未来にどのような事象が起こるかという予測のシナリオを作る作業です。
これによって未来の社会のイメージを膨らませていきます。

⑤未来のデータ活用の課題を検討

次に、各象限の4つのシナリオに対して「課題」「戦略」「データコムで何が行えるか」「考えられるデータの活用」など、未来の課題と解決策を考えます。

各象限の課題と解決策が出そろったら、「考えられるデータの活用」から共通する要素を抽出します。これが未来の社会でのデータ活用のポイントとなります。

その共通要素をさらに深掘りして新事業に落とし込むため、各要素に対して問題と課題を検討し、それを解決するためのアイデアを整理します。

検討したアイデアに対して、「想定される顧客像」「その顧客に起きている問題」「問題解決のために提供できる価値」などを考え、「提供価値を具体化する機能」を構想して徐々に形にします。

⑥課題解決法を企画に

機能の構想が固まってきたので、いよいよ企画に起こしていきます。
今度は、このサービスを市場に展開する前提で、「想定顧客」、「顧客の問題」、「課題」、「コンセプト(提供価値)」、「サービス開発上の課題」、「実現方法」を検討します。

「提供価値を具体化する機能」から企画を検討しましたが、調べてみると世の中には似たシステムが既にたくさん有るので、いかに差別化できるかが肝でした。

他にも、国や自治体ではなく一般企業がやる以上は、利益が出るかどうかも考えなければいけなかったりと、企画を作成したあとも試行錯誤は続きました。

7つの新規事業企画

ここまでの様々なフレームワークを駆使しながらアイデアをまとめ、最終的に7つの企画案ができました。

「医療費、患者は後払い、クリニックは即受け取り」
「IDPOSで見守り、援助」
「VRマーケットプレイス」
「地域の情報、必要な人に、必要な時に」
「子供の学びを、地域が支える。みんなで育む未来の力」
「売場を見れば、次にすべきことが見えてくる」
「小売メーカーマッチングPF」

この7つの企画がみんなに伝わるか、興味を持ってもらえるかを確認するため社内でプレゼンをし、アンケートを取りました。

約半年、時間をかけて練り上げた7つの企画に興味を持ってもらえるか不安は大きかったですが、反応は良く、関心を持ってもらうことができました。

アンケートをとった結果、既存事業に近いこともあり、「小売メーカーマッチングPF」が上位になったので、製品化に向けて動いていきたいと思います。

また、アンケートの結果とは別に、やはり自分がやってみたいと思えた「子供の学びを、地域が支える。みんなで育む未来の力」の製品化も検討していきます。

今後の展望

格差の解消が世の中をよくすること、幸福度の向上に繋がると思います。特に、教育格差の解消は、所得格差の是正につながる重要な要素です。
「子供の学びを地域が支え、みんなで育む未来の力」という仕組みが社会を変える有効なシステムのひとつになると考えています。

また、子供の頃から学ぶ楽しさを身につけることで、大人になったときにより多くのチャンスを得られると信じています。
この考えに共感し、協力していただける企業を募り、今後は実現に向けて取り組んでいきます。











X(Twitter)ではnoteを以外の情報も発信しています。 ぜひフォローお願いします!