今回も2024年3月にアメリカ・ラスベガスで開催された流通小売業向けのビジネスイベント“Shoptalk 2024”についてレポートの続編です！

↓前回の記事はこちら

イベントで語られた観点その4として
Brand Power ブランド力の向上について解説します！

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ここまで見てきたように、テクノロジーの進化などによって、
流通小売企業、そして消費者の環境は日々変化しています。

そういったなかで、企業や商品がブランド力を高めて、
他と差別化を図っていくことが必要不可欠。

ブランド力と顧客との繋がりは密接に関係しており、
今回のイベントではこの文脈で
MATTEL社の講演に多くの関心が寄せられました。

社名を聞くだけだとピンと来ない方も多いかもしれませんが、
同社は世界的に知られる着せ替え人形“バービー”を提供する
おもちゃメーカーです。

2023年にバービーを実写化した映画を公開。

ピンクを基調としたバービーの世界観とは裏腹に、
センシティブな事項にも切り込む描写によって、
賛否の声がありながらもアメリカをはじめとした各国で大流行。

バービーの発売開始から60年以上経ったタイミングで
初めてメディア事業に参入し、
おもちゃの域を越えた新たな方法で
ブランドと顧客の繋がりを構築することに成功しました。

今年は「MATTEL Adventure Park」というテーマパークをオープン予定。

メディア、そしてオフラインのエンターテインメントに
事業を拡大することで、より多くの人が
MATTEL社の世界観に触れる機会が生まれていくでしょう。

高級ダウンジャケットで知られるCANADA GOOSEは、
高い品質と信頼にこだわるブランドでありながら、
新たな挑戦を続けています。

同社では、伝統とトレンドのバランスを常に意識し、
商品開発を行っているとのこと。

売上を伸ばしていくためには、
トレンドを取り入れる必要がある一方で、
同社のブランドを支持し続ける顧客は
伝統的なデザインと高い品質を求めているため、
その期待に応えなければなりません。

その難しさと直面するシーンのひとつに
カテゴリーの拡張があるそうです。

以前、ニットカテゴリーの開発に挑戦したものの、
自社の新たな資産となるほどの品質水準まで至らず、
18か月間の挑戦もむなしく発売を断念。

求める水準や製造方法の見直しに長い年月を費やした上で、遂に発売。

講演に登壇したCEO・Dani氏も
自社のニットを着用しており、自信を示しました。

このような悪戦苦闘もありながら、
自社ブランドの在り方をブラさなかった甲斐もあり、
ダウンジャケット以外の衣服カテゴリーは
年70%で成長を遂げています。

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